ヤーコンとは南米アンデス原産のキク科の根菜です。
アンデス山脈一帯では、伝統的に先住民によって、カタバミ科など様々な科にまたがった芋状の根菜類が栽培されてきたが、ヤーコンもそのひとつであります。塊根は貯蔵栄養素としてデンプンでなく【フラクトオリゴ糖】を大量に蓄積しており、収穫後1-2か月の保存によって分解してオリゴ糖となり、甘みが生じます。
生で食べると、甘くしゃきしゃきした、ナシの果実に近い食感が有り、そのため生食もされ、また炒める、煮る、揚げるなどの加熱調理もされます。
私は静岡で、長年静岡やぶきた本山茶の生産加工販売を営んでいます。
長年緑茶の生産加工で培った技術で【安全、安心】をモットーに飲みやすく、美味しいと評判のヤーコン茶を、標高680mの霧深い高地で、皆さんの笑顔と健康のため、土壌作りから農薬、化学肥料など一切使用せずに心を込めて生産提供しております。
ヤーコンはその根採部分が注目されがちですが、その地上部、すなわち茎葉の部分にも驚くべき効能が明らかになっています。
ヤーコンの茎葉は大きいもので2メートルを超え、形はゴボウやヒマワリの葉に似ています。ヤーコンの茎葉部には多量の【ポリフェノール】の存在が確認されています。ヤーコンの茎葉には機能食品のカテキン、フラボノイド、テルペンなどの生理活性物質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、カリウムなど多く含まれています。
「ポリフェノール」糖尿病の予防に!
ヤーコンの葉や茎の部分の成分として含まれている【ポリフェノール】の中には、 体内で糖質の吸収を遅らせる働きがあり、 食後の急激な血糖値の上昇を予防する効果があると考えられています。
さらに、体内で膵臓(すいぞう)から分泌され、 血糖値を下げる作用をしている【インスリン】と呼ばれるホルモンと、 同じような作用をする成分がヤーコンに含まれているとも考えられており、 民間療法の一つとして、注目を浴びています。
動脈硬化や高血圧の予防に!
ヤーコン茶には、カテキンやフラボノイド、
クロロゲン酸などのポリフェノール類が多く含まれていることから、 血管の弾力性が失われたり、 血液の流れが滞る【動脈硬化】を予防すると考えられています。動脈硬化が進行する大きなリスク要因と考えられている、 血液中の悪玉コレステロールが酸化することを抑制する働きがある他、 その結果として血管が健康な状態になり血液の流れもスムーズになることから、 【高血圧】の予防にも繋がる効用があると考えられています。
便秘解消、ダイエット効果!
ヤーコンの原産地であるアンデスは長寿地帯として知られており、それはヤーコンのおかげではないかと言われています。日本には馴染みの薄いヤーコンでしたが、最近ではダイエットに良いお茶として注目されています。
ヤーコン茶を飲めば、特別な運動をしなくてもコレストロール、中性脂肪値の低下による【ダイエット、美肌、便秘の解消】の効果が期待できます。
ポリフェノールは主に、酸化防止や動脈硬化の予防、活性酸素を抑制する抗酸化作用があります。またデンプンの消化が遅れて、血糖値の急激な上昇を抑制したり、肥満予防の効果も期待できると言われています。ヤーコンにはこのポリフェノールが赤ワインとほぼ同じ量含まれており、その効果が注目されています。
各種飲料のポリフェノール含有量(100g中)
飲料 | ポリフェノール |
ヤーコン |
203㎎ |
緑茶 |
50㎎ |
赤ワイン |
200㎎ |
白ワイン |
25㎎ |
ぶどうジュース |
15㎎ |
りんごジュース |
25㎎ |
「ヤーコンの根と葉で糖尿病と肥満を解消」
(ハート出版・月橋輝男著)
フラクトオリゴ糖は胃や小腸で消化されずに大腸に到達するため、血糖値の上昇がほとんど生じません。また大腸内の善玉菌が増えて、 悪玉菌が減る整腸作用があることや、血中総コレステロール・中性脂肪などを低下させる働きがあることも大きな特徴です。ヤーコンにはこのフラクトオリゴ糖が玉ねぎの約3倍も含まれまれています。
野菜等のオリゴ糖含有量(可食部100g中)
食物 |
含有量 |
ヤーコン | 9.0㎎ |
玉ネギ | 2.8㎎ |
ネギ | 0.2㎎ |
ニンニク | 1.0㎎ |
ゴボウ | 3.6㎎ |
ライ麦 | 0.7㎎ |
バナナ | 0.3㎎ |
「腸内フローラと植物因子」学会出版センター
ヤーコンには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は大腸の働きを活発にするので、大腸ガンの予防や便通・便秘の改善に効果が 高いと期待されています。また高血圧予防や、血清コレステロール・中性脂肪を改善する効果にも注目を集めています。
主な食品に含まれる食物繊維の平均値(100g中)
食品群 |
食物繊維 |
ヤーコン |
2.6㎎ |
米加工品群 | 0.3㎎ |
小麦粉類群 |
2.4㎎ |
芋類群 |
1.1㎎ |
大豆群 |
5.7㎎ |
キノコ群 |
3.2㎎ |
緑黄色野菜 |
1.8㎎ |